センバツ、九産大九州は24日に近江と対戦




 甲子園では選抜高校野球大会が開幕しました。初日に登場した昨年秋の九州大会優勝校の九州学院(熊本)は、八戸学院光星(青森)に2-9で敗れ、九州勢にとっては厳しい出だしとなりました。
 九産大九州は24日の第3試合に登場します。初戦の対戦相手である近江(滋賀)は3年ぶり4度目の出場。夏も11度の全国大会出場を誇り、2001年には準優勝の実績もある名門校です。昨年夏も甲子園に出場。初戦(2回戦)は鳴門(徳島)に8-0と快勝、3回戦は聖光学院(福島)に1-2と9回逆転サヨナラで敗れましたが、右腕・小川投手は当時から2年生エースとしてマウンドに上がっており2試合で2失点の好投を見せました。野手も4番を打った日比をはじめ仲矢、笹治、山本のレギュラーが残り、なかなか手ごわい相手のようです。

 昨夏甲子園2試合の小川投手の投球を少し分析してみました(出典・朝日新聞デジタル)。
 球種としてはストレートのほかスライダー、カットボール、カーブなどがあるようです。ストレートの球速は昨夏の段階では130キロ台中盤といったところ。
 鳴門戦では投球数104球のうちストレートが65球(62.5%)、スライダーが26球(25%)、カットボールとカーブがそれぞれ6球(5.8%)、フォークが1球(0.1%)。完封したものの9安打を浴びており、うち6本がストレートを打たれたものでした。聖光学院戦では108球のうちストレートが70球(64.8%)、スライダーが22球(20.3%)、カットボールが14球(12.9%)、カーブが2球(1.8%)。この試合でも9本の安打を許し、ストレートとスライダーを4本ずつ打たれています。
 合計するとストレートが約64%、スライダーが約23%で、この二つを軸にした投球となっています。手も足も出ない剛球を投げるタイプではないようですが(奪三振も特別多くありません)、1試合平均の与四死球は2~3個と制球力にすぐれており、ストレートと多彩な変化球を投げ分けて打たせて取るタイプのようです。3球に2球近く来るストレートをまずは狙いたいところでしょうか。

 試合は1点を争う投手戦になりそうです。近江はこれまで小川投手の打たせて取る投球と堅い守りで最少失点に抑え、競り合いをものにしてきました。ただ、九産大九州も昨年秋の福岡大会では筑陽学園や八幡南と厳しい競り合いを演じており、ロースコアでの凌ぎ合いは望むところです。勝利に向けては何といっても岩田投手の出来にかかってきます。小川投手からは大量得点は望めそうもありませんから、3点以内の競り合いに持ち込みたいところです。
 打線は大きいのを狙うと小川投手の術中にはまりそうですが、もともとコンパクトに単打を重ねる九産大九州だけに、その心配はなさそうです。普段通りにセンター方向に打ち返す打撃でチャンスを作って尾崎、大野らの中軸で返し、岩田投手を中心に守り抜きたいところです。

【参考/昨年夏以降の近江の主要な公式戦成績】

<昨夏全国選手権>





投手
(回数)



2回戦 8ー0 鳴門 12 4 7 1 5 0 小川 (9) 9 3 2
3回戦 1-2 聖光学院 8 8 1 4 2 0 小川 (8 1/3) 9 3 3
<昨秋滋賀大会>                  
準決勝 2-1 彦根東 6 6 3 2 0 0 小川(7)→京山(2)  5 3
決勝 3-1 北大津 8 3 5 1 1 0 小川(9) 10 2 2
<昨秋近畿大会>
1回戦 3-2 PL学園 6 6 5 4 0 1 小川(9) 7 3 4
準々決勝 2-6立命館宇治 小川(5)→京山(1)
→サラサル(3)
14 5

 

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