秋季大会で見た気になる選手②(投手編~左投手)




 先日は秋季大会で印象に残った右投手について書き出してみましたが、今日は左投手を見てみたいと思います(あくまで直接球場で観戦した選手に限定し、独断と偏見に基づいています)。好投手の多い右投手に比べると、左投手はやや物足りない印象ではあります。そのため夏の選手権福岡大会まで観戦対象を広げてみようと思います。

◇山川海都(八幡南)八幡南・山川
 左の軟投派。ワインドアップからの投球で、柔らかなフォームから素直なストレートとスライダー、カーブを投げてきます。スナップが利いているためかストレートの伸びがよく、球速表示(120~125キロ)以上に速く感じます。右打者の膝元に落ちてくるスライダーが効果的で、これに100キロ台のカーブも使ってタイミングをうまく外してきます。制球力も素晴らしく、フィールディングも抜群です。課題は終盤のスタミナでしょう。県大会1回戦の西日本短大付戦、準決勝の九産大九州戦は、序盤から中盤にかけて完璧な投球を見せながら終盤につかまりました。右上手の今井投手とあわせた二枚看板の安定感は北部随一といってよいでしょう。

◇岩田将貴(九産大九州)九産大九州・岩田2
 秋の福岡を制した九産大九州の1年生左腕。ストレートは120キロ台前半ですが、左サイドからの変則フォームは球の出どころが見づらいようで、右打者には膝元に落ちてくる、左打者は外へ逃げていく変化球(新聞報道ではツーシームと言っています)を厳しいコースに決めてきます。時折クイックモーションを見せるほか一塁への牽制も巧みで、投球モーションを起こすと牽制と勘違いした一塁走者が慌ててベースに戻るシーンも何度となく見られました。細身ではありますが、九州大会でも連投となった2回戦、準々決勝と完投したように、スタミナもありそうです。気合を全面に出し、1年生らしからぬ強気な投球も魅力の一つ。今後のさらなる成長が楽しみです。

◇富山凌雅(九州国際大付)九国・富山投手
 前チームから登板機会も多く、今夏は甲子園のマウンドも踏んでおり経験は十分です。ストレートに カーブを交えてのオーソドックスな投球スタイルですが、がっしりとした体格で夏以降、さらにストレートのスピードが上がった感じを受けました。夏の大会では120キロ後半~130キロ台前半でしたが、130キロ台半ばをコンスタントに出しているのではないかと思います。秋季大会では2回戦で東海大五に敗れましたが、この試合はコントロールに苦しみました。球速のアップにこれまでのような制球力が伴えば、もうひとランク上の投手になると思いました。

◇杉本寛昌(八幡)八幡・杉本
 小柄な軟投派ですが、外角低めの厳しいコースにコントロールされるストレートと緩いカーブをうまく絡ませながら、打たせてとる投球を見せます。秋季大会1回戦の宗像戦では、6回まで無安打(1死球)に抑える好投を見せました。ストレートのスピードもそこまであるわけではありませんが、打ち気にはやると術中にはまる可能性があります。体が全体的にまだ細いので、体ができてストレートにもう少しスピードが乗ってくれば、このスローカーブが効いてきそう。

◇岡天斗(真颯館)真颯館・岡2
 1年生だけに体はまだ細いですが、2013年のU15日本代表に選ばれただけあり、打撃も含めてセンスのよさを感じます。今夏の福岡大会で新宮相手に完投勝利。無理のない柔らかなフォームからキレのあるストレートとカーブを投げ分け、制球力もあります。秋は北部地区パート決勝で光陵に敗れましたが、体ができてくればスピードもまだ上がりそう。まだそこまでの凄みは感じませんが、今後の成長株として注目されます。

◇新井悠太朗(折尾愛真)折尾愛真・新井2
 今夏は2年生エースとして、ベスト8進出の立役者となりました。この投手も上背はありませんが、外角低めにストレートを集め、カーブを交えながら打ち取っていきます。どちらかというとオーソドックスなタイプ。セットポジションからテンポのよい投球を見せ、それは走者を出しても変わりません。期待された秋季大会は初戦で東筑に0-4で敗れましたが、来春の活躍が期待されます。

◇坂本裕哉(福岡大大濠)
福大大濠・坂本投手  前チームからマウンドに上がっており、今夏の福岡大会でも2回戦の三池戦、4回戦の西日本短大付戦で先発しています。全身を使った躍動感あふれるフォームから角度のあるストレート、落差のあるカーブを投げてきます。課題は立ち上がりのコントロールでしょうか。ストライクが入り始めるとリズムよく投げてきますが、そこに至るまでに球数を要するようであれば苦しくなりそうです。

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 このほかでは大牟田の龍頭投手、飯塚の渡辺投手、星琳の中村投手などの評価が高いようですが、まだ直接観戦する機会に恵まれていませんので、ここでの評価は避けたいと思います。来年の春季大会では、ぜひ見てみたいと思います

 

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