秋季大会で見た気になる選手①(投手編~右投手)




 福岡の高校野球界では目下、北九州地区と福岡中央地区の1年生大会が行われていますが、オフシーズンに入ってきました。今年の観戦はこれで終了となる予定です(1年生大会は観戦しても速報、観戦記の予定はありません)。まとめの意味を込めて、また来春への忘備録として、秋季大会で印象に残った選手を改めて書き出してみたいと思います。まずは投手(右投手)から。

◇中村翔(祐誠)祐誠・中村投手2
 秋季大会でいちばん印象に残った投手です。右の本格派。下半身が安定しているため体全体がよく沈み込み、ボールに力がうまく伝わっています。スナップもよく利いているためストレートに伸びが感じられ、その分、時折抜いたカーブもまた実に効果的。秋季大会は4回戦で沖学園に敗れましたが、芯で捕えられた打球はわずかでした。制球力もあり安定感も十分にあるのですが、まだ成長の余地を感じさせます。来春は、南部を代表する投手になるのではないでしょうか。将来性を感じさせる投手です。

◇ローレンス・ヒンブル(東福岡)東福岡・ヒンブル
 完成度という点ではこの投手でしょう。小柄ながら130キロ超のストレートに威力があり、120キロ台の鋭いスライダー、タイミングを外すカーブなどを自在に操ります。抜群の制球力を誇り、九州大会では創成館、神村学園の強力打線を相手に見せた投球術も光りました。フィールディングなどにも表れていますが、野球センスを感じさせます。あとは7回以降を乗り切るスタミナをつけたいところです。

◇斎藤銀次郎(筑陽学園)筑陽・斎藤銀
 昨年から主戦として活躍していますが、この秋からは背番号1を背負います。秋季大会を制した九産大九州の岩田投手に4回戦で投げ負けましたが(0-1)、力強いフォームからストレートとカーブ、小さく曲がるスライダーを駆使した投球で同校を1点に抑えました。下半身が安定しているため重心が低く球に威力があります。制球力も秀逸。完成度の高さを感じます。打っても中軸を務めるチームの大黒柱。来春の同校活躍のカギを握りそうです。

◇赤司夏生(光陵)光陵・赤司投手
 光陵を初の九州大会に導いた原動力となりました。力のあるストレートにカーブ、スライダーを駆使してポンポンとストライクを取ってくる小気味の良い投球を見せます。ストレートは120キロ台後半ですが、見た目以上にスピードを感じます。制球力も高く、スリーボールになっても簡単に歩かすことはありません。ピンチでも粘り強く投げる精神力も含め、現時点で完成度が高い投手の一人だと思います。

◇今井翔(八幡南)八幡南・今井投手
 左腕・山川投手とともに九州大会出場に貢献しました。セットポジションから外角低めを中心にストレートをテンポよく投げ込んできます。これにスライダーを交えて内野ゴロを打たせて取る投球を見せます。コントロールもよく安定感がありますが、やや上半身だけで投げている感じを受けました。下半身が使えてくると、もう少し球速もアップしそうです。

◇濱地真澄(福岡大大濠)大濠先発投手
 ワインドアップから始動する柔らかなフォームから、ストレートとカーブをリズムよく投げ込んできます。特に落差のあるカーブがコーナーによく決まっていました。コントロールもよく安定感があります。自然で無理のない投球フォームは好感が持てますが、もう少し荒々しさがあってもいいかもしれません。まだ1年生ですが、これから注目していきたい投手の一人です。

◇福島滉貴(東福岡)東福岡・福島投手2
 九州大会の創成館戦でリリーフとして勝利に貢献、鮮やかなデビューとなりました。この段階で140キロ超のストレートを投げる投手は、福岡でこの投手くらいではないでしょうか。まだ上半身に頼って投げている印象ですが、それでもこのスピードが出るのは、元捕手だっただけに地肩とスナップの強さがものを言っているのだと思います。変化球も含めた細かなコントロール、牽制やフィールディングなどをこれから磨いていくことになりそうです。

◇築城大輔(福岡工)福岡工・築城投手
 体は決して大きな方ではありませんが、全身を使った大きなフォームに力強さを感じます。腕もよく振れておりストレートに力があります。変化球の切れ、制球力もあります。福岡大大濠戦では負傷による途中降板でしたが、まだまだ成長の余地のありそうな投手という感じを受けました。

 

◇佐藤晃一(久留米)久留米・佐藤
 将来性ということで名前を挙げてみました。リリーフでマウンドに上がった秋季大会の久留米商戦ではコントロールに苦しみ四死球を連発、不本意な投球となりましたが、それでも本格派らしい躍動感あふれるフォームが印象に残りました。フォームを固めて制球力がついてくれば、面白くなると思います。

 

———

 もちろん観戦できていない試合も多いため、まだまだ右腕の逸材はいると思います。
 挙げた中では、全体的にコントロールがよい投手が中心になりました。やはり四死球を連発するような投手は試合を壊してしまうことが多いため、評価としては厳しくなってしまいます。来春、彼らがどのような投手になっているか楽しみです。

 

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*