第135回九州地区高校野球福岡大会 準々決勝 (2014年10月4日・土/北九州市民球場)

TEAM   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10   R H E  
東福岡        
   14 
久 商           10 
【東】ヒンブル(6)→笹川(3) (三)樋口(二)日高、西山
【久】渡辺(3_0/3)→田中(1)→前原(1)→北島(4)(二)城戸、古川
【東福岡】 打安点 【久留米商】 打安点
⑥ 日 高 531 ③  中 島 510
⑧ 野 原 311 ⑦8 吉 武 530
⑨ 大 木 410 ⑨  槇 山 310
② 河 野 111 ②  古 川 511
③ 山本航 520 ①7 渡 辺 420
④ 樋 口 410 ④641北島 200
⑦ 西 山 510 ⑧  加 納 100
⑤ 久 我 431 4  松 本 000
① ヒンブル211 1  前 原 000
1 笹 川 100 H6 城 戸 321
          ⑤  山 岡 301
          ⑥164田中 401
振 四犠盗残34 14 5   振四犠盗残  35 10 4
1084113      64119       -

【試合経過】
 両校あわせて延べ6人の投手が登板、残塁数が合わせて22を数えるなど、2時間30分を超える長い試合となったが、東福岡が2番手・笹川投手の好救援で粘る久留米商を振り切った。

 序盤は東福岡ペース。1回二つの四球で得た二死一、二塁の先制機は逃したものの、2回二死後、早くも3つめの四球で出た久我が盗塁と捕逸で三進し、ヒンブルの右前打で先制。4回は西山の左中間二塁打で出塁すると久我の三塁前バントが内野安打となり無死一、三塁。ヒンブル四球で満塁としたあと日高が右前、野原が中前にそれぞれ適時打を放って2点を追加。ここで久留米商の先発・渡辺が降板、遊撃・田中がマウンドへ。大木は三振に倒れたが、河野が押し出しの四球を選んでこの回3点を奪った。5回はこの回からマウンドに上がった左腕・前原から先頭の樋口が三塁打を放つと一死後、久我の左前打で1点を加え、5-0とリードを広げた。

 4回まで毎回のように走者を出しながら得点できなかった久留米商は5回、投手・前原の代打で起用された城戸が右翼線への二塁打で出ると、山岡の犠打で三進。続く田中の遊ゴロの間に生還して1点を返した。続く6回にも右前打の槇山が古川の右中間二塁打で一気に生還してまず1点。渡辺の一塁前バントは二塁手のベースカバーが遅れ無死一、三塁。北島死球で満塁とすると、城戸の右前打で2点目。さらに山岡の遊ゴロ併殺崩れの間にもう1点を追加し4-5と1点差に迫った。だが次の田中の右直は当たりがよく三走がタッチアップのスタートを切れず、同点はならなかった。

 久留米商は6回から二塁手の北島が4番手として登板。9回までに4安打を浴びたものの、粘りの投球を見せた。8回一死一、二塁から山本航の左前打で本塁を突いた二走を本塁で刺すなどバックの好守にも助けられ、無失点で味方の反撃を待った。だが東福岡も7回裏からマウンドに上がった2番手・笹川が力投。7回一死二塁をピンチを凌ぐと、9回にも二死から吉武の右前打と槇山の四球で一、二塁とされ4番・古川を迎えたが遊飛に打ち取り、1点を死守した。

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 久留米商の先発・渡辺投手は、球の走りはまずまずだったが、この日はボールが先行するピッチング。初回に2つの四球。2回表も二死を取りながら、8番・久我に四球。久我は二盗を試み、警戒していた久留米商バッテリーはこれを外すが捕手・古川が二塁へ高投。さらに捕手が投球をはじいた隙に三塁へ。ノーヒットで三塁まで進めると9番・ヒンブルのチーム初安打がタイムリーとなった。相手のミスを確実に得点に結びつける東福岡らしい野球で先制点を奪う。

東福岡・久我生還

 4回は四球を挟んでの4連打で2点を奪って渡辺投手をノックアウト。1番打者・日高はこの日も5打数3安打1四球で6打席で4度出塁。右に左に巧みに打ち分ける。5回にも1点を加えて5-0となり、コールドゲームの雰囲気も漂い始める。【写真下=4回表東福岡無死満塁、日高が右前適時打を放つ】

東福岡・日高適時打

東福岡スタンド

 だが久留米商は5回に1点を返すと6回に反撃に転じる。右前打の槇山を一塁に置いて4番・古川が右中間を破る二塁打でまず1点(写真下)。そのあと、さらに2点を加えて4-5と1点差に。東福岡ベンチからは伝令が走り、一気に緊迫感が高まる。

久留米商・古川適時打

 押せ押せの久留米商はなおも続く一死一、三塁のチャンスで9番・田中がライトへライナー性の打球を飛ばす(写真下)。一瞬、タッチアップ~同点かと思われたが、当たりが良すぎたためか三塁走者がタッチアップを切るタイミングを逃し同点ならず。結果的にここで同点に追いつけなかったことが、久留米商にとって最後まで響くことになった。

久留米商・田中右直

 久留米商は6回からセカンドを守っていた北島が4番手としてマウンドへ。右ワインドアップからキレのある直球とスライダーを使って東福岡打線に挑む。6回に2本、7回にも1本の安打を許すが得点を与えない。8回には二塁に走者を置いて左前打を許すが、レフトからの好返球で二走をホーム寸前で刺し無得点に抑える(写真下)。このとき久留米商に走塁妨害があったのではないかという東福岡からのアピールがあり、試合は一時中断。スタンドからは野次も飛び不穏な空気が漂ったが、4人の審判が集まって協議を行った結果、アピールは認められずそのまま試合続行。

東福岡・野原本塁憤死

 東福岡も6回に3点を奪われた先発・ヒンブルを諦め、7回からは2番手の笹川投手をマウンドへ送る。笹川は右ノーワインドアップから早いテンポで直球をポンポンと投げ込んでくる。試合は4-5のまま9回裏へ。笹川は簡単に二死を取るが、吉武に右前打を許すと槇山を歩かせて一打同点のピンチ、打者は4番・古川。東福岡ベンチはこの試合最後の守備のタイムを取り、伝令がマウンドへ走る。

東福岡・最後のタイム

 しかし古川は詰まった遊飛に終わりゲームセット。南部の強豪校同士の一戦は東福岡に軍配が上がり、準決勝進出と九州大会出場への一番乗りを果たした。

東福岡勝利の瞬間

 打力はほぼ互角、守備もよく鍛えられており両校無失策で好プレーも随所で見られたが、先発投手の制球力の差がわずかに出た形となった。久留米商の渡辺投手は3回途中で降板するまで与えた四球が4つ。うち2人の走者がホームに戻ってきた(ヒンブル投手は死球が2つあったが四球はゼロ)。

 東福岡は無死で走者が出ると打順に関係なく確実に送ってくる。しかも一回で決める確率が高い。この日は6回送りバントを試み5回が成功(うち1回は内野安打に)。こうしたソツのなさが東福岡の攻撃の特徴だろう。ただ先発全員安打の14安打に8つの四球を得ながら残塁も13。突き放すあと1本が出なかったのも事実だが、ここは久留米商投手陣の粘りと堅守を讃えたい。

 久留米商も東福岡の2投手から10安打を放つなど、打ち負けてはいない。ただ送りバントの失敗や走者三塁にいてライトライナーでのタッチアップ自重(難しい判断ではあるが)、盗塁を読んで外しながらの送球ミスなど、細かなミスが得点機の喪失や失点につながった。1点を争うような試合になると、こうしたミスが致命傷になる。南部大会で本塁打を放った古川、渡辺などを中心にした強力打線を生かすためにも、細かなプレーの見直しを図りたい。

 台風18号の影響か、この日は風が強かった。グラウンドでは砂塵が何度も舞い、たびたび試合が中断することも。

砂塵舞うグラウンド