第135回九州地区高校野球福岡大会 北部パート決勝 (2014年9月28日・日/北九州市民球場)

TEAM   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10   R H E  
東 筑        
   10 
八幡南           12 
【東】藤井(1_2/3)→梅田(3_1/3)→山田(1/3)→藤井(2_2/3)(二)岩田、高井
【八】今井(6_0/3)→山川(3) (二)廣澤、吉田
【東 筑】 打安点 【八幡南】 打安点
② 八 巻 421 ⑤ 早 野 321
④ 足 立 421 ② 中 川 521
⑧ 高 井 421 ⑥ 廣 澤 111
⑦19山田 412 ④ 原 田 311
③ 岩 田 310 ⑦  島  301
⑨ 大 石 100 H 伊 藤 112
H  ?  100 9 宮 原 000
9 山 下 000 1 山 川 100
6 新 開 100 ⑧ 吉 田 520
①61藤井 401 ③ 吉 元 410
⑥5今 村 300 ①97今井 300
⑤ 上 原 000 ⑨79上野 421
1 梅 田 210           -
H7松 本 210           -
振四犠盗残 3310 6   振四犠盗残 33 12 8
42517     563110   ー

【試合経過】
 前日延長15回引き分け再試合となった一戦は、両チーム延べ6人の投手が登板する総力戦となり追いつ追われつの熱戦となったが、終盤の東筑の反撃を継投でかわした八幡南に軍配があがった。

 八幡南は初回、先頭の早野が右前打、中川の時にエンドラン(三ゴロ)で二進し、わずか3球で一死二塁の先制機を作ると、続く廣澤が左中間を破る二塁打で先制。同点とされた2回には吉田が左中間二塁打で出塁、続く吉元の送りバントは三塁封殺されたが、今井の時にエンドラン(三ゴロ)をかけて二死二塁とし、上野の叩きつけた当たりは投手の頭を越え、飛びついたショートがグラブに当ててはじく間に吉元が生還して勝ち越し。さらに早野死球の後、中川の右前打で1点を加え、廣澤死球で満塁とすると代わった東筑2番手の梅田から原田が四球を選んでこの回3点をあげた。再び同点とされた5回には廣澤死球、原田右前打で無死一、三塁から島の遊ゴロの間に廣澤が戻って3たびリードを奪った。

 初めてリードを許した6回にもすぐに反撃。この回からマウンドにあがった山田を攻め、一死から早野、中川の左前打、廣澤四球で満塁。再びマウンドにあがった藤井に原田は一邪飛に倒れたが、代打・伊藤が中前への2点適時打を放って再逆転に成功した。7回にも吉元が右前打、犠打と上野のセーフティバントで一死一、三塁とし、早野の右犠飛で突き放した。

 東筑もよく追いかけた。2回一死後、岩田がレフトとセンターがお見合いする幸運な二塁打で出ると犠打で三進、藤井の遊ゴロをショートがトンネル、同点とした。3点を追う3回には一死後、八巻の左前打、足立の四球で一、二塁とし、高井の右中間二塁打でまず1点、さらに山田の中前への2点適時打で再び同点に追いついた。1点を追う6回には藤井が遊ゴロ失で出塁、犠打と代打・松本の中前打で一死一、三塁から八巻のスクイズで同点。足立も中前に弾き返してもう1点を追加、この試合で初めてリードを奪った。

 だが7回途中からマウンドにあがった2番手・山川に終盤3イニングスを1安打に抑えられ、追撃も及ばなかった。

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 八幡南は前日に続いて右腕・今井が先発。この日も直球をコーナーにテンポよく決める投球で初回は3者凡退。上々の立ち上がりを見せる。だが前日の疲れからか3回くらいから球が高くなり、東筑打線に捕えられた。5回以降はストライクとボールがハッキリするように。6回3分の1で9安打を浴び6失点(自責点4)で降板。

八幡南・今井投手 東筑も前日の試合をほぼ一人で投げ切った右サイドハンドの藤井が先発のマウンドへ。前チームのエース・溝尻投手とよく似た投球フォーム。直球とスライダーを中心に緩急を使ったピッチング。スライダーの後の直球は速く感じる。ただこの日はスライダーのコントロールに苦しんでいた様子。1回2/3、5安打2四死球で一度マウンドを降りる。

東筑・藤井投手 八幡南は初回、3球で一死二塁の好機を作ると、3番・廣澤の左中間二塁打であっさり先制。点の取り合いになりそうな雰囲気に。【写真下=八幡南1回一死二塁、廣澤の左中間二塁打で先制】

八幡南・廣澤適時打 東筑は2回、岩田の幸運な二塁打と敵失ですかさず同点に追いつく。【写真下=2回表東筑二死三塁、藤井の遊ゴロ失で岩田が生還】

東筑・岩田生還 しかし八幡南は2回に上野、中川のタイムリーで2点を追加。早くも藤井をマウンドから降ろす。【写真下=2回裏八幡南二死一、二塁、中川の右前打で2点目】

八幡南・中川適時打 だが東筑打線も負けてはいない。3回に入ると今井投手の球を芯で捕え始め、3番・高井、4番・山田の連続タイムリーで3点を返す。試合は再び振り出しに。【写真下=3回表東筑一死二、三塁、山田が同点となる中前2点適時打を放つ】

東筑・山田適時打

 2回途中から救援のマウンドにあがった東筑の左腕・梅田投手。2回最初の打者には押し出しの四球を与えたが3回、4回と三者凡退に抑え、試合は一度落ち着きを取り戻す。小さく曲がるスライダーを中心とした組み立てを見せた。

東筑・梅田投手 5回裏に1点を失い三たび追う展開となった東筑だが、点を奪われた後には確実に反撃を見せた。6回表も敵失を足掛かりにスクイズで追いつくと、足立のタイムリーでついに逆転。この試合、始めてリードを奪う。【写真下=6回表東筑一死一、三塁、八巻のスクイズで藤井が同点のホームイン】

東筑・松本生還

 応援団を中心とする伝統の応援が繰り広げられた一塁側東筑スタンドの盛り上がりも最高潮に。

東筑スタンド

 初めてリードを奪った東筑は6回裏、前の回に投手・梅田に代打を送った関係でレフトの山田がマウンドへ。小柄な体全体を使っての投球で直球の勢いはあったが、少し球が高かった。八幡南の1、2番に直球を連打され、3番廣澤に四球を与えたところで降板。再び藤井がマウンドへ。

東筑・山田投手

 藤井は二死までこぎつけたが、続く代打・伊藤にセカンドの左を破られる2点タイムリーを浴びて再逆転を許す。【写真下=6回裏八幡南二死満塁、代打・伊藤の中前打で二人が還り再逆転】

八幡南・伊藤適時打

 4度目のリードを奪った八幡南は7回無死一塁となったところで、背番号1の左腕・山川がマウンドへ。4番・山田を左飛に打ち取ると、後続を連続三振に仕留めて東筑の勢いを止め、流れを八幡南にグッと引き寄せた。三振はいずれも右打者の膝元に落ちてくるスライダー。ワインドアップからの投球で、柔らかなフォームから素直なストレートとスライダーを投げる。

八幡南・山川投手

 8回裏のピンチを凌いだ東筑が、いよいよ最後の攻撃に。ベンチ前で円陣を組み、山部監督の指示を聞き入る。最終回は1番からの好打順。

東筑円陣

 先頭の八巻が中前打で出て、もう一波乱起きそうな雰囲気も漂うが、山川投手の力投で二死二塁までこぎつける。八幡南ベンチからも必死の声援が送られる。

八幡南ベンチ

 東筑の4番・山田が二飛に倒れ、二日間にわたった試合にようやくピリオドが打たれる。県大会最後のイスは八幡南に。

八幡南勝利の瞬間

八幡南東筑整列2 八幡南は今井、山川と安定感のある左右の2投手がいるのは大きい。打線も長打こそ少ないが鋭い振りを見せ、エンドランを二度敢行するなど機動力も使える。平凡な外野飛球を二つほどヒットにしてしまうなど、エラーにならなかったプレーも含めた守備にやや課題を残す。東筑は、ここぞという場面での集中打は迫力がある。藤井、梅田の投手陣の成長次第では、来年の春、夏も期待できそう。