【観戦記】九産大九州1-0筑陽学園(秋季大会南部4回戦)




第135回九州地区高校野球福岡大会 南部4回戦 (2014年9月20日・土/小郡市野球場)
 TAEM  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  R  H E
九    州          9 

筑陽学園                 10 

九産大九州】打安点  【筑陽学園】 打安点
⑤ 鹿 毛  410  ⑧ 斎藤雄 520
⑨ 山 田  410  ④ 立 岩 500
⑧ 浜 田  310  ⑦ 大 坪 420
③ 片 倉  430  ① 斎藤銀 320
⑦ 佐 藤  400  ③ 工 藤 410
④ 大 野  421  ⑨ 笹 原 300
⑥ 神 野  300  ⑥ 上 杉 210
① 岩 田  400  ② 光 岡 420
② 中 浜  410  ⑤ 松本仁 400
振四犠盗残  34  9 1  振四犠盗残 34 10 0
50308       440011

【試合経過】
 両校再三、塁上を賑わしながらも九産大九州・岩田、筑陽学園・斎藤銀が踏ん張って1点を争う試合となったが、4回に挙げた1点を守り切った九産大九州に軍配が上がった。
 九産大九州は4回一死後、片倉が右前打で出塁。佐藤の送りバントは片倉が二塁で刺され失敗に終わったが、続く大野が左翼線への二塁打を放ち、レフトがやや右寄りに守っていたこともあって一塁から佐藤が一気に本塁を突いて先制点をあげた。
 先に先制のチャンスを作ったのは筑陽学園。2回、中前打で工藤が出塁。笹原の送りバントは二塁封殺されたが、上杉が四球、光岡の右前打で一死満塁と攻め立てた。だが松本仁が三振、斎藤雄が右飛に倒れ無得点。
 6回に入ると九産大九州が山田の左前打、浜田の犠打がフィルダースチョイスとなって無死一、二塁の好機を掴む。続く片倉の右飛で一死一、三塁とし、佐藤がスクイズを試みたがファールとなり、後続も倒れ追加点ならず。するとその裏、今度は筑陽学園が反撃に転じ、大坪のショート後方に落ちるポテンヒット、斎藤銀の三塁ゴロはイレギュラーするヒットとなり無死一、二塁。しかし工藤が6-4-3の併殺に倒れ、笹原、上杉の四死球で満塁まで詰め寄ったが、光岡はいい当たりの中直に倒れ得点ならず。
 筑陽学園は9回も一死から光岡が左前へのポテンヒットで出塁するが、松本仁が送りバントを二度失敗し、結局左飛。斎藤雄が右前打で最後の粘りを見せたが、立岩が二ゴロに倒れ力尽きた。筑陽学園は5回と8回を除いて毎回の10安打を放ったが本塁が遠かった。

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 筑陽学園の先発は斎藤銀。力強いフォームからこの日も重そうな直球とカーブ、小さく曲がるスライダーを駆使しての投球を見せたが、九産大九州打線に初回から芯で捕えられる。5回、7回を除いて毎回の9安打を許したが、四死球はゼロ。無駄な走者を出さない投球は秀逸。

筑陽・斎藤銀投手
 九産大九州は背番号1の岩田が先発。左サイドからの変則フォームで、時折クイックモーションを見せる。5人の左打者がいる筑陽学園打線には外角へ逃げるカーブが有効だった。右打者にも外角低めにカーブを集める。また一塁牽制が巧みで、岩田が投球を起こすとランナーは牽制と思い一塁ベースに戻りかける場面も何度か見られた。

九州・岩田投手
 先にチャンスを迎えたのは筑陽学園。2回一死満塁としたが9番・松本がカーブを振らされ三振(写真下)。続く斎藤雄も右飛に倒れて絶好の先制機を逃す。松本三振
 先制点は九産大九州。4回一死一塁から、大野がレフト線への二塁打を放つ。レフトがやや右に守っていたこともあって打球に追いつくのが遅れ、一塁走者の佐藤は一気に三塁を蹴って本塁突入、クロスプレーとなったが佐藤の足が一瞬早く、生還した(写真下)。三塁コーチャーの好判断、よく思い切って回した。九州・佐藤生還
 6回表も九産大九州は一死一、三塁と追加点のチャンスを掴む。しかしここは筑陽・斎藤銀投手が踏ん張る。佐藤を空振り三振に打ち取ると(写真下)、前の打席でタイムリー二塁打を放っている大野も投ゴロに仕留めて追加点を許さず。
九州・佐藤三振
 6回のピンチを抑えて勢いよく戻ってきたナインを迎えた江口監督を中心に円陣を組み、反撃の準備に入る筑陽ベンチ(写真下)。すると3番・大坪がショート後方に落ちるポテンヒット、続く斎藤銀の当たりは三塁ゴロ、5-4-3の併殺か…と思われた瞬間、バウンドが変わって打球はレフト前へ。ラッキーな安打が続き、流れは完全に筑陽学園。だかがここで5番・工藤が6-4-3の併殺打に倒れ、反撃ムードが一気にしぼむ。笹原死球、上杉四球で満塁とし、光岡が中堅左へ快打を放つがセンター・浜田の守備範囲で三者残塁。この試合の大きな山場となった6回の攻防だったが、両校得点できず。筑陽円陣 筑陽学園は8回一死一塁から工藤が左中間に大きな当たりを放ち、一瞬抜けたかと思われたが、レフトが左中間深いところに守っており、イージーフライに。9回も二死一、二塁まで詰め寄るが、あと一本が出なかった。結局、4回にあげた1点が決勝点となり、九産大九州が競り勝つ。九州勝利の瞬間 九産大九州の勝因は岩田投手の力投が真っ先に挙げられる。左打者には外に逃げるカーブを中心とした投球を貫き、被安打10も長打を許さず要所を締めた。
 筑陽学園の拙い攻めにも助けられた。2回無死一塁で笹原が投前にバントをしたが一塁走者が二塁で封殺されて送りバント失敗。4回一死一塁では一塁走者が飛び出して一、二塁間で挟殺された。6回無死一、二塁では(結果論ではあるが)送りバントをさせず強攻に出て併殺。9回も一死一塁で松本仁が送りバントを試みるが、二度ファールで失敗して結局送れず。岩田から10安打、4四死球を得ながらも11残塁で、斎藤銀の力投に報いることができなかった。

 

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