【観戦記】久留米商10-0久留米(秋季大会南部1回戦)




第135回九州地区高校野球福岡大会 南部1回戦 (2014年8月30日・土/桧原運動公園野球場)
TEAM  一 二 三 四 五 六 七 八 九 十   R H E
久留米                  0        
久 商                 10        
【久留】入江→佐藤    【久商】渡辺   

【試合経過】
 久留米の先発・入江投手の立ち上がりを攻めて初回に2点を奪った久留米商は3回一死後、3番・槙山が四球で出塁後、盗塁を決めて一死二塁から、4番・中島が三遊間を破って1点を追加した。
 4回には7番・渡辺の中前打に続き、古川が右中間に本塁打を放ってまず2点。城戸四球の後、救援した久留米・佐藤から死球、犠打、四球で一死満塁として中島の押し出しの死球、小出の右犠飛、北島の右翼線への2点二塁打で、さらに4点を加えて突き放した。5回は二死後、吉武が右翼線への三塁打を放ち、四球を挟んで槙山が中前にはじき返して吉武を迎え入れたところで10点差がつき、コールドゲームとなった。
 久留米は2~4回にそれぞれ1安打ずつ放ったが、カーブを効果的に使う久留米商・渡辺投手に後続が抑えられ、反撃できなかった。

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 久留米商の渡辺投手は、まだマウンドさばきにぎこちなさを残し、上半身だけで投げている印象。直球のスピードが上がっていくのもこれからだろう。現時点で目を引いたのは鋭く曲がるカーブで、走者を置いた場面ではウイニングショットに使っていた。直球のスピードがアップすればさらに効果的な球になりそうだ。【写真下=久留米打線を5回3安打に抑えて完封した久留米商・渡辺投手】

久留米商・渡辺 打線では、吉武、中島、北島といった前チームからのレギュラー組はさすがに鋭い振りを見せているが、新戦力では8番・古川が右中間に大きな一発を放った。がっしりとした体格をした左打者。リストも柔らかそうで、将来は中軸も期待できそうだ。本塁打の次の打席も、あわや二打席連続かと思わせる中堅への大きな当たりを見せており、今後の成長が楽しみだ。【写真下=4回裏無死一塁、本塁打を放ち生還する古川選手】

久留米商・古川

 久留米は背番号6の入江が先発。右スリークォーターから直球とスライダーを投げ込むが、スライダーはまだ思ったところに制球できていない様子。そのため時折、スローボールを使って目先を変えながら、直後に直球を低めにズバッと投げ込む。左打者の1番・吉武を見逃し三振に打ちとったように、この球が低めにコントロールできれば三振を取る威力は十分。ただ、小柄なだけに球の軽さは否めず、少しでも甘く入ると古川に一発を浴びたように痛打を浴びることになりそうだ。【写真下=久留米の先発・入江投手】

久留米・入江
 0-5となった4回途中、無死一塁の場面でマウンドに上がった背番号1・佐藤投手は、右の本格派。前チームからのエースで夏は玄洋を相手に1勝をあげた。だがこの日は直球、カーブとも制球が定まらなかった。交代後は死球、犠打、四球、死球、犠飛で2失点。北島にもタイムリーを浴びてさらに2失点。結局、打者12人に対して3死球、1四球、3安打。しなやかで無理のない投球フォームなだけに、下半身を安定させて細かなコントロールと直球のスピードをつければ、来春には化ける可能性のある投手だと感じた。【写真下=久留米・佐藤投手】

久留米・佐藤
 打線はいい当たりもあったが、全体的にもう少し力強さが欲しい。佐藤投手を中心に守りを固め、1点を取るための機動力を磨くなど、目指すべき攻撃のスタンスを定めたいところだ。【写真下=攻撃前に円陣を組む久留米ナイン】

久留米ベンチ

 

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