第96回全国高校野球選手権大会は今日が開幕の予定でしたが、台風の影響で2日後に延期となりました。2日後は台風一過、夏空が戻ることを期待しています。
さて、第4日目(延期により14日木曜日の第2試合)に登場する九州国際大付の戦力分析を、改めて打撃面からしてみたいと思います。
同校の強打ぶりは本ブログで何度も取り上げており、マスコミをはじめ各方面でも注目されています。特に3番・古澤、4番・清水の2人の注目度が高いようですが、2人の打撃もさることながら九州国際大付打線の特長は、投手陣を含め、どこからでもヒットが出る打線としての切れ目のなさでしょう。(投手3人で19打数9安打….4割7分3厘!)
ヒットにもいろいろと種類があって、詰まった当たりが幸いして外野手の前に落ちたり、ボテボテのゴロが飛んだコースがよくて内野安打になったり、当たりはよくないが結果オーライというものも多くあります。しかしながら福岡大会の7試合中、私が観戦した4試合においては、九州国際大付のヒットにはそうしたヒットがほとんどありませんでした。芯で捕えたクリーンヒットばかり。西短大付・小野投手を攻略したように、140キロ台前半の直球であれば打順に関係なくはじき返す力があり、特に3番から7番までは一発もあります。
理想は1、2番がチャンスを作り中軸で得点をあげることですが、1、2番が不発の場合も中軸でチャンスを作って6、7番で還すこともできます。こうした「二段階攻撃」ができることで、高い得点力につながっています。
九州国際大付のもう一つの強みは福岡大会で本格派から軟投派、右投手からサウスポーまでいろんなタイプの好投手を打ってきている点。150キロ超の直球と鋭いスライダーを持つ西短大付・小野投手。左腕では自由ヶ丘・久保、福工大城東・貞許という好投手を打ち崩してきました。貞許投手を救援した福工大城東の右サイドハンド・古村投手も苦にしませんでした。決勝では北筑の平川、桜井の軟投派投手から大量点を奪っています。
初戦の対戦相手、東海大四の西嶋投手は大きなカーブを持つ右本格派。しかしこの打線をもってすれば、これまで打ち崩してきた投手のレベルを考えても攻略は十分に可能だと思います。注意するとすれば、カーブの見極めでしょうか。
盗塁は7試合で7個。1試合に1つの計算です、どんどん走ってくるイメージはありません。送りバントも序盤の点差が開いていない場面では使ってきますが、幾つか失敗も目につきました。競り合いになって確実に走者を進めたいとき、こうした細かなプレーがきちんとできるか、ひとつ課題になりそうです。
【九州国際大付の個人別打撃成績】
打者 打率 打- 安- 点- 本- 三- 二
④中尾 .357 28-10-05-00-00-02
⑨河口 .364 22-08-04-00-00-01
⑥古澤 .481 27-13-13-02–01–04
②清水 .360 25-09-04-01-00-01
⑧疋田 .231 26-06-06-01-00-00
⑤山本 .280 25-07-12-02-00-02
⑦岩崎 .353 17-06-03-01–02–01
①安藤 .357 14-05-02-00-00-00
③小林 .091 11-01-01-00-00-00
③手塚 .500 08-04-03-00-00-02
⑦中谷 .400 05-02-02-00-00-01
①富山 .667 03-02-03-00-00-01
③青木 .000 02-00-00-00-00-00
①滝 1.000 02-02-02-00-00-00 ※下線は左打者
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