明日の準決勝(九国大付-自由ヶ丘/北筑-東筑)を展望する




2014夏ベスト4

 準々決勝の4試合が終わり、ベスト4が出そろいました。甲子園まであと2勝。最後の戦いが明日日曜日から始まります。
 4校はすべて北部勢、しかも北九州市内のチームとなりました。九州国際大付と北筑は打力のチーム。自由ヶ丘と東筑は投手を中心にした守りのチームと特徴がはっきりしています。ここまでくるとチーム力もさることながら、選手の体調やチームの雰囲気や勢いなどの要素も勝敗を左右する重要なポイントとなりそうです。
 九州国際大付は福工大城東、西日本短大付と南部の強豪をコールドで下し、大きな自信を胸に準決勝に乗り込んでくるでしょう。自由ヶ丘は炎天下で2試合完投した久保投手の疲労具合が気になるところ。2日間でどこまで回復しているでしょうか。北筑は何といっても勢いがあります。田中監督も話していましたが、失うものはない中で伸び伸びと試合に臨めそうです。東筑も5回戦、準々決勝と勝ち方がよく、チームの雰囲気はよさそうです。伝統校として久々の甲子園出場を期待する周囲の声がプレッシャーにならなければ、3年ぶりの決勝進出も見えてきそうです。

【九州国際大付ー自由ヶ丘】
 九州国際大付の強力打線に自由ヶ丘のエース・久保が臨む。九州国際大付は福工大城東・貞許、西日本短大付・小野と県を代表する左右の両投手を打ち崩してきた。上位から下位まで鋭い振りで少しでも甘く入ると強烈な打球を左右に飛ばす。安藤や滝の投手陣も野手にひけをとらない打力があり、文字通り隙がない打線だ。中軸の古沢、清水、疋田、山本でここまで6本の本塁打を放っており、長打でビックイニングを作って一気に突き放す破壊力もある。
 久保は130キロ台のキレのある直球とカーブの制球がよく、1試合平均の四死球は2.75個と安定感がある。低めに集める投球をどこまで貫けるか。長打力では劣る自由ヶ丘打線だが好打者の1番・中山らを中心に機動力を使って揺さぶり、コツコツと得点を積み重ねて相手の焦りを誘いたい。
 いずれにせよ、自由ヶ丘の勝利には久保の好投が絶対条件。大会前に注目された多くの投手が姿を消したが、その中で残った最後の一人として、大会最強の打線を相手に意地を見せたい。

【北筑ー東筑】
 北筑はここまで5試合の総得点は38(1試合平均7.6)。3回までに3点以上のリードを奪って試合の主導権を握り、そのまま押し切る試合運びで勝ちあがってきた。主戦・平川は5回戦、準々決勝と2桁安打を許したが粘り強く投げた。多少の失点は織り込みながら、それを上回る得点を目指す奔放な野球が持ち味で、勢いがある。
 東筑は5試合で失点はわずかに8。投手を中心とした堅い守りと、犠打で走者を得点圏に送って攻める堅実な攻撃を見せる。投手陣は東福岡を封じた右サイドハンドの溝尻と、左腕の堀内が試合ごとに安定感を増してきた。打線はどの打順でもバントを確実に決められる小技に加え、阿部・樽谷らの中軸は長打力も秘め、5試合で28点(1試合平均=5.6)と得点能力も高い。
 総合力では東筑が上とみるが、北筑が早い回から得点を重ねると一気にペースを掴みそう。逆に東筑は序盤の北筑の攻撃をしのぎ、中盤以降の勝負に持ち込みたい。奔放さと堅実さ。対照的なチームカラーの両校だけに、どちらが自分たちの得意な試合展開に持ち込めるか注目される。



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