夏の福岡代表校を振り返る⑬(第24回大会・福岡工)~福工の黄金期到来




1938年(昭和13年) 第24回選手権大会/福岡工(2年連続2回目)  優勝=平安中(京都)初
 

 福岡工初出場の礎を築いたエースの喜多投手が去った後、マウンドを託されたのは前年までセンターを守っていた大崎憲司だった。 

 大崎は卒業後は八幡製鐵、西鉄(社会人)を経て、新設された西鉄クリッパースに上野らと共に入団する。投手としての大崎は喜多と同じく球威には定評があり、喜多に劣らぬ安定感を誇った。
 これに守備の要であるキャッチャー・甲木徳雄、リードオフマン・上野義秋、中軸に座るショート・竹島市郎、さらに外野の鍋山三郎、馬場幸重など前年のレギュラーが残ったチームは、春のセンバツに出場。初戦で岐阜商に敗れたものの、夏の福岡予選は久留米商に11-0、中学修猷館に43-0、鞍手中に19-0、小倉工10-1と、圧倒的な強さで勝ち上がり、その勢いで北九州大会も制して4季連続の甲子園出場を果たした。

 甲子園の初戦は京阪商(大阪)と対戦。試合は、福岡工・大崎、京阪商・深尾の投手戦となったが、わずかな隙を突いた京阪商が競り勝った。
 0-0で迎えた7回、京阪商は四球で出た走者を敵失で迎え入れて均衡を破ると、スクイズで2点目を挙げた。福岡工は6回、一死から馬場、竹島の連打で二、三塁と絶好の先制機を迎えたが、後続が打ち取られ無得点。2点を追う8回も敵失から三塁まで走者を進め、二ゴロで本塁を突いたがタッチアウト。京阪商の堅守を崩せなかった。福岡工先発の大崎は軽快なフォームから投じる速球を武器に11三振を奪ったが、涙を飲んだ。

 4季連続出場と黄金時代を築き始めた福岡工だったが、甲子園での勝利はまたもやお預けとなった。


▶福岡県の甲子園成績

 

◇2回戦
     一二三四五六七八九 計HE
京 阪 商 0 0 0 0 0 0 2 0 0  2 3 2

福 岡 工 0 0 0 0 0 0 0 1 0  1 3 5
【福岡工】 打安 【京阪商】 打安
3 上 野 30 2 高 野 41
7 馬 場 42 8 佐 野 40
6 竹 島 31 9 山 崎 40
1 大 崎 30 1 深 尾 30
2 甲 木 40 3 宮 口 40
8 鍋 山 20 7 藤 村 21
5 鳥 山 40 4 西 田 31
4  関  40 5 吉 村 30
9 佐 藤 40 6 北 野 40   

振 四犠盗残 31 3 振四犠盗残  31 3
104118    113227


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